Job & person 06

京都で大学生活を送った際、海外からの旅行者によく道を聞かれました。ときには道順を説明するだけではなく、目的地に同行してコミュニケーションをはかることもあり、旅をする人と触れ合う楽しさを知りました。そこから観光業への興味が高まり、人とじっくり接するなら、滞在そのものを楽しむ施設の方がいい。そこで自然と「リゾートホテルで働くっていいな」という気持ちが生まれていきました。

入社後は長野県のAMBIENT 蓼科へ配属となり、ホテルスタッフとしてお客さまのリゾートライフを豊かにするためのサポートは、やりがいを感じました。５年目からは不動産営業部に異動しました。当社の不動産事業における営業部門は土地や物件の販売、オーナー様が所有するコテージ等のリフォーム、物件の売買などを担当します。私はオーナー様と当社間で賃貸借契約を結び、コテージタイプの貸別荘として宿泊運営を行っている建物の改修や、安全と環境保全の観点から行っている分譲地内の樹木伐採プロジェクト、物件リフォームの営業等に携わっています。東京にある本社と、八ヶ岳を行き来する毎日ですが、都会のオフィスに勤めつつ、雄大な大自然の中で仕事ができるのはリフレッシュにもなります。ホテルスタッフと不動産事業部では転職したのかと思うぐらい仕事内容が違いますが、それこそ当社の良さでもあります。会員事業、不動産事業、ホテル運営事業等、さまざまな職種の中で自分に合ったものを見つけ、幅を広げていくことができるからです。

当社は創業以来、八ヶ岳南麓の開発を進め、現在では50を超える分譲地があります。そこには、2,000棟以上の建物があり、特徴的なのは分譲別荘と、当社が賃貸借契約し、宿泊用として提供する貸別荘があることです。私の仕事はいつでも快適に別荘を使っていただけるよう、建物のチェックやオーナー様からのリフォーム相談、改修の提案などを行うことです。また、貸別荘の「花ホテル」と呼ばれる宿泊用コテージについては、現在再生プロジェクトが進んでいます。これは貸別荘のオーナーと当社が協力して建物の修繕などを行い、宿泊施設としてのクオリティを保つのが狙い。ただし、我々の意志だけで進めることはできないため、オーナー様へのプレゼンや交渉も私の仕事です。

不動産営業部の仕事は、何事においてもオーナー様と意思疎通がはかれなければ前に進むことはできません。だからこそ、やりがいはオーナー様の悩みを汲み取り、解決していくことにあります。例えば「開放感のある別荘に変えたい」と相談されれば、オーナー様が何を求めてそうおっしゃるのかよく話を聞き、何に悩んでいるのか、どんなリゾートライフを送りたいのかを探ります。信頼され、心を開いて話していただく瞬間こそが、この仕事をしていて一番うれしいときかもしれません。先輩や上司にも相談して解決方法を探り、その結果、オーナー様の喜ぶ返答やリフォームなどができたときには大きな達成感を感じます。

オーナー様はリゾートライフを楽しむために不動産の購入や、投資を行っています。それだけに、頼りにされたときどれだけ期待に応えられるか、窓口である私達の力量が問われます。仕事のやり方を自分で考えることができる社風なので、自分がどう動くかですべては変わります。もちろん、一人の力だけでやりきるというのではなく、先輩や上司などの力をどれだけ借りられるかといったことも重要です。私の場合、オーナー様にとって最良の返答をするために心がけているのは、先輩などなるべく多くの人の話を聞くことです。人によって持っている知識やノウハウはさまざま。相談事に対してより良い選択肢を一つでも多く持って、オーナー様の希望や悩みを解決していける存在でありたいと思っています。

日頃から数多くのオーナー様に会ってさまざまな話をさせていただきますが、社会的地位のある方も多く、近い距離でたくさんの刺激を受けることができます。そして、ホテル勤務をしていた際は、私達を身内のように接していただける会員様もいらっしゃいました。こうしたコミュニケーションができると、このリゾートでの生活を自宅にいるように楽しんでいただいているのだな、と嬉しくなります。そんな声を一つでも多くいただけるよう、これからも頑張っていきたいと思います。